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診療科・部門

臨床検査科

臨床検査科は、チーム医療の一員として正確な検査データや検査情報を速やかに提供すること、また、患者さんには親切丁寧な態度で安心して安全に検査を受けていただけることを心掛け、4名の臨床検査技師が検査業務に臨んでいます。
検査室は、主に検体検査室、細菌検査室、生理検査室などに分かれ、生理検査室は、車椅子やストレッチャーでの移動がスムーズに行えるようゆったりとしたスペースが確保されています。

臨床検査科、検査室紹介

検体検査

検体検査は、患者さんから採取した検体(血液・尿・便・喀痰など)について検査します。主に、生化学検査、免疫検査、一般検査、輸血検査などを行っています。

検体検査室
検体検査室

生化学検査

血液中(主に血清)に含まれている成分を分析することにより、肝機能、膵機能、腎機能、脂質代謝、糖質代謝、心機能、電解質、薬物濃度などの情報を得ることが出来ます。

生化学自動分析装置
生化学自動分析装置

感染症・ホルモン分析機

モノクロナール抗体を用いて生体内微量成分を全自動で迅速・高感度に測定する免疫診断機器です。心疾患マーカーのトロポニンI、ミオグロビン、CK-MB、BNP、甲状腺ホルモンのTSH、F-T3、F-T4、そしてB型肝炎ウイルス抗原・抗体などを測定しています。

免疫測定装置
免疫測定装置

血液検査

血液は、体重のおよそ8%程度です。その約45%は赤血球・白血球・血小板などの血球で、残りが液状成分の血漿です。血液中の白血球、赤血球、血小板の数や細胞形態、ヘモグロビン濃度等を観察測定します。貧血や感染症の有無等を知ることが出来ます。

多項目自動血球分析装置

多項目自動血球分析装置

血液の構造

尿一般検査

尿は、腎臓で血液を濾過してつくられる水溶性の老廃物です。尿検査は、尿路系の疾患や腎疾患とともに全身状態を知る手がかりとなります。尿中の蛋白、糖、潜血(赤血球)、白血球、などの10項目成分について分析装置で測定します。また、尿の一部を試験管に取り分けてから遠心を行い、沈殿物を顕微鏡で観察します。

尿定性分析装置
尿定性分析装置
白血球 赤血球 扁平上皮 硝子円柱
白血球 赤血球 扁平上皮 硝子円柱

微生物検査

検査対象は、喀痰や尿そして膿などを検査材料とします。細菌による感染症の起炎菌同定と抗生物質の感受性を調べます。感染症の早期治療のためのデータと院内感染症対策へ情報を提供しております。検査項目は、塗抹、培養同定、薬剤感受性検査があります。

塗抹検査

細菌の形態を大きく分けると、球菌と桿菌に分類されます。その多くの形態は、グラム染色で確認します。染色性と形態とを合わせて青く染まる菌をグラム陽性菌(球菌と桿菌)、赤く染まる菌をグラム陰性菌(球菌と桿菌)とに区別します。菌の形態と染色性そして、配列等に特徴のある菌も見られます。

顕微鏡で観察される細菌(グラム染色)
喀痰中のブドウ球菌 喀痰中の肺炎球菌 喀痰中のモラクセラ菌 喀痰中の抗酸菌(チール・ネールゼン染色)
喀痰中のブドウ球菌 喀痰中の肺炎球菌 喀痰中のモラクセラ菌 喀痰中の抗酸菌(チー
ル・ネールゼン染色)
培養同定検査

培養は、細菌を増殖させるために栄養素を含んだ羊血液寒天培地やチョコレート寒天培地などの培地に材料の一部を接種して35°Cで培養をします。発育した菌のコロニー形態、大きさ、溶血性、色、臭気そして生化学的性状により菌名を同定します。

薬剤感受性検査

抗生物質の選択は、起炎菌と各希釈系列の抗生物質とを混合して35°Cで培養します。菌の発育状態を観察し各抗生物質で菌の発育を阻止し得た最低限の薬剤濃度、すなわち最小発育阻止濃度(MIC)を求めます。検査結果から薬剤感受性結果を報告します。

同定・薬剤感受性自動測定装置 緑膿菌同定と薬剤感受性パネル
同定・薬剤感受性自動測定装置 緑膿菌同定と薬剤感受性パネル

喀痰採取

検査材料に食物残渣が残っていると検査ができなくなります。喀痰を採取する時は、うがい(採取時は入れ歯を外す)を3回ぐらい行って口腔内をきれいにします。大きく深呼吸してから咳をすると採取しやすいです。喀痰は直接容器に入れて下さい。自宅などで直ちに提出できない時は、採取後の容器をビニール袋に入れて冷蔵庫に保存して下さい。

生理機能検査

生体の機能を調べる検査で、身体から得られた波形や画像を解析します。主な検査には、心電図検査、肺機能検査、超音波(エコー)検査、脳波検査などがあります。

心電図検査

心電図検査は、心臓が収縮する時に発生する微弱な起電力を心電計で捉え、波形を記録します。心電図波形から、脈の乱れ(不整脈)や胸の痛み(狭心症)などの原因、心室性期外収縮、心房細動、房室ブロック、左室肥大、心筋梗塞など多くの症候の鑑別をすることができます。心電図検査を行う際は、ベッドに仰向けに寝ていただき、手首、足首、胸に電極を付け、安静(リラックス)した状態で心電図を記録します。

自動解析装置付心電図計
自動解析装置付心電図計

ホルター心電図

シールの電極を胸に貼り付け、小型の携帯型心電計で24時間の心電図を記録し、解析します。1日の日常生活の中でどのような不整脈がでているか、また動悸・胸痛などの自覚症状があった場合に心電図の変化があるかどうかを調べることができます。検査中は主な行動(就寝、起床、食事、トイレ、仕事、症状など)を専用記録メモ用紙に記入していただきます。

肺機能検査

呼吸障害がある方の障害程度の把握や、肺・気管支などの状態や働きを調べるための検査です。マウスピースを口にくわえ、息を大きく吸い込んだり、吐き出したりします。この検査は、正しい検査結果を出すために最大限努力することが大切です。

超音波(エコー)検査

体表面から超音波を当てることで、目的の臓器を画像として描写し、臓器の形態や血液の流れなど、様々な情報を詳しく得ることができる検査です。当院では、心臓、肝臓、膵臓、腎臓、甲状腺、血管などを検査します。
ベッド上で安静にしていただき、超音波を通すゼリーを体表面に塗りプローブを当てて検査します。超音波は、痛みなどは無く安全なものです。腹部領域の検査を受けられる方は朝食を控えてください。

超音波測定装置
超音波測定装置

脳波検査

小さな電極を頭皮上に貼り付けて、脳の自発的な活動電位を脳波計で増幅し波形として記録します。脳の活動状態やてんかんなどの診断、治療効果を調べることができます。
頭皮に電極を取り付けた後、ベッドで安静にして眼を閉じていただきます。安静時の波形および光刺激と過呼吸、自然睡眠や薬物による睡眠波形を記録します。検査時間は、60分程度です。洗髪は事前に済ませ、寝不足の状態で来院して下さい。

脳波計
脳波計
脳波室
脳波室

針筋電図検査

筋肉が収縮する時に発生する活動電位を記録したものを筋電図検査と言います。検査担当医師が目的の筋に針電極を刺して測定します。極めて細い針を用いますが痛みを伴う検査です。筋の安静時と収縮時を調べます。当院では、筋ジストロフィーなどの筋疾患が疑われたときに神経系の疾患との鑑別のために行うことが多い検査です。

筋電計
筋電計

神経伝導検査

末梢神経を皮膚上で電気刺激し、誘発された電位を記録し、伝導速度、振幅、持続時間、遠位潜時などを測定して、末梢神経疾患(脊髄を含む)の診断、および、病態の把握に活用します。ピリピリとした痛みを伴う検査です。

聴力検査

聴力検査とは、聞こえの程度が正常か異常か、異常とすればどの程度の聞こえの悪さか、また聞こえの悪さがどの部位の異常によるものかを大まかに判断する検査です。
検査は、ヘッドホンをつけた状態でオージオメータという装置からさまざまな周波数の純音をさまざまな強さで聞いて、音の高さ(周波数)ごとに聞こえる最も小さな音の大きさ(可聴閾値)を調べます。この際、気導聴力と骨導聴力の両方を測定します。また、この検査は周囲の雑音を遮蔽するために防音室で行います。

オージオメータ
オージオメータ

骨密度検査

骨密度が減少すると、骨そのものが脆くなり、骨折のリスクが高くなります。骨密度の測定は、骨の健康状態を数値化することにより、骨量の減少を早期に発見し、適切な予防や治療を行うことが可能になります。当院では、かかとの骨に海綿骨部分を透過する超音波を当て、その伝搬速度を測定する方法を行っています。

動脈血酸素飽和度検査

生体の状態を観察する上で、酸素がどの程度血液に供給されているかを知ることは大変重要なことです。これを知るための指標が動脈血酸素飽和度です。
パルスオキシメータという機械を用いて、心拍ごとに指先の末梢組織に送り込まれる動脈血の酸素飽和度を、その血液の色(赤さの程度)から非観血的かつ連続的に測定し、データを解析しています。

パルスオキシメータ
パルスオキシメータ


 
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