臨床工学技士とは

• 1987年5月に制定された「臨床工学技士法」に基づく医学と工学の両面を兼ね備えた国家資格です。
  （公布：昭和62年6月2日、施行：昭和63年4月1日）
• 医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う事を業とする医療機器の専門医療職種です。医師をはじめ、看護師などと共に医療機器を用いたチーム医療の一員として生命維持をサポートしています。
• 当院では人工呼吸器が常時100台程度稼働しており、それらの人工呼吸器を中心とした医療機器の管理を目的として平成17年9月より臨床工学室が設置されました。現在、常勤臨床工学技士3名にて業務を行っています。

臨床工学室の業務

1. 人工呼吸器管理業務
2. 医療機器中央管理業務
3. スタッフ研修
   病棟スタッフに対して医療機器に関しての取り扱い研修を実施。
4. 医療ガスの定期点検
5. IPV、RTXを使用した治療業務
6. 在宅人工呼吸器、在宅CPAP患者様のデータ管理
7. 経皮的PCO2モニタによる検査業務

人工呼吸器関連業務

1. 呼吸器ラウンド：人工呼吸器、周辺機器、回路などを定期的にチェック。
2. 医療安全管理：人工呼吸器に関して医療安全の観点から事故防止の為の助言や活動を行う。
3. 人工呼吸器導入時の補助：マスクフィッティングや機器の調整。
4. 人工呼吸器保守点検

医療機器中央管理業務

人工呼吸器以外にも病院内では様々な医療機器があり、臨床工学室にて保守管理、貸し出し等の業務を行い、安全に治療が行えるようにしています。

医療ガス関連業務

• 鈴鹿病院臨床工学技士は医療ガス設備の安全点検における「実施責任者」として任命されている。
• 「実施責任者」として1回／3ヶ月毎に病院内の医療ガス設備点検を実施。
• 酸素、吸引設備（アウトレット数約600個）の点検作業を実施している。

IPV（肺内パーカッションベンチレータ）業務、RTXを使用した治療業務

IPV（肺内パーカッションベンチレータ又は肺内軽打換気法）

加湿された空気塊を、音速に近いスピードで、高頻度かつ断続的に気道内に噴出することによって、換気と喀痰排泄を補助する。
1分間に60～300回程度の換気を行い肺内をパーカッション（呼吸理学療法）しながら呼吸補助を行う人工呼吸器。

1. 気道を段階的に拡張し平衡状態に。
2. 肺内の分泌物の流動化
3. 排痰の促進：体位に依らず排痰が出来る
4. 呼吸補助作用
   
   • （1）吸気⇔呼気の肺胞に至る還流を実現
   • （2）酸素⇔炭酸ガス交換能の向上
   • （3）ドラッグデリバリー効果
5. 予防的効果
   
   • a．肺炎等合併症の治療及び予防
   • b．無気肺の治療及び予防
   • c．清浄性の保持
   • d．呼吸機能改善性の保持

鈴鹿病院におけるIPV実施状況

慢性期呼吸管理において人工呼吸器の有無を問わず排痰は重要であるという観点から、平成21年7月より院内でIPV（肺内パーカッションベンチレータ）導入をしました。当院では年間約4000回実施しています。

RTXレスピレータ（陽・陰圧体外式人工呼吸器）

キュイラスと呼ばれる胸当てを胸腹部に装着して、キュイラス内に器械本体から陰圧・陽圧をかけ、主に横隔膜を動かしタッピング・スクイージングに近い効果を得る事も可能である。当院では入院、外来患者様に治療を行っています。

在宅人工呼吸器、在宅CPAP患者様のデータ管理

専用のソフトを使用し在宅での人工呼吸器、CPAP装置の使用状況データをチェックし診察時に提供しています。

経皮的PCO2モニタによる検査業務

経皮的PCO2モニタでのモニタリングは筋神経疾患患者様の人工呼吸器管理を行う際のモニタリングとして有効です。当院では人工呼吸器を導入する際にも経皮的PCO2モニタを使用し管理を行っています。

経皮的PCO2モニタ